2009年に建設したコンポンスマットチュ小学校の新校舎ができるまでのレポートです。

10月13日コンポンスマットチュ小学校の新校舎建設工事が始まりました。まず取りかかったのは建設の要となる基礎工事です。

カンボジアでは建物建設での基礎工事の大切さがわからない人がまだたくさんいます。この学校では頑丈な基礎をつくるために大きい穴をいくつも掘っています。

機械を使って圧力をかけることで、人力で固めるよりはるかに強度が増し、地盤の緩みを防ぎます。

穴の底に石を敷き詰めて、中心に柱となる鉄の杭を打ち込みセメントを流します。

シアヌーク州は雨の多い地域なので基礎に水がたまりやすく、毎回排水してから工事を始めます。

窓枠は強度に優れ長持ちする鉄製にしました。カンボジア教育省も推奨しています。

次々に鉄製の窓枠を溶接していきます。全部の窓の溶接作業が完成したら塗装を施して校舎の壁面にはめ込んでいきます。

外壁の基礎部分に支柱をたててセメントで固めました。さらに教室の屋根を支える柱を入れていきます。

セメントは、浄化した水と良質な砂、良質なセメントを専用タンクで混ぜ合わせて作っていきます。

壁部分の基礎を固めているところです。この上にレンガを積み上げて壁を造っていくのでとても重要な部分です。

柱は鉄筋を繋げて徐々に高くしていきます。それから、水箱を設置してセメントを流し込んでいきます。
この様に一つ一つの柱に対して丁寧に作業を進めていきます。

外壁及び各教室の支柱ができました。ここからはこの支柱にあわせて外壁のレンガを固め窓枠を設置していきます。

恥ずかしがりやの子ども達も新校舎の完成を楽しみにしています。
このコンポンスマットチュ小学校は現在、生徒数の増加に伴い3部制の授業を行っています。
この新校舎建設が出来ることで子ども達は2部制の授業に再び戻ることが出来ます。

木の枠の中に鉄筋を入れてセメントを流し込んでいきます。この横の柱が完成すれば、更に加える縦の柱とともに屋根をより頑丈に支える役割を担うことになります。
水箱の木は丁寧に機械を使って、採寸したものです。

横の柱が全て完成したら、縦の柱を加えていきます。屋根の柱は、三層のグループに分かれて高さを変えていきます。これは屋根に適切な角度をつけるためのものです。

一番高い中央の柱は屋根を支えるとても重要な部分です。この高さで屋根の角度が決まります。雨の多いカンボジアではしっかり角度をつけておかないと水はけが悪くなり、雨漏りの原因になります。

学校の骨組みが完成し、これから壁面工事にかかります。少しずつ校舎の形がみえてきました。

屋根の梁を設置して瓦を張りました。屋根のてっぺんの隙間のある部分にはこのあとコンクリートの主棟をつけ、先端部にカンボジアの伝統装飾をつけます。

屋根の作業にあわせて壁面工事も進み、各教室の仕切りも完成しました。

レンガを積み上げた壁面をセメントで塗り固めていきます。

廊下の床や窓・扉のスペースも造り終えました。

校舎の裏側から撮った写真です。
こちらの方はレンガの積み上げ作業が終わっています。また、窓枠の上には、教室の換気を良くする為に換気窓も設置してあります。

やねの主棟も設置されました。換気窓工事も終了し、これから壁面の塗装作業に移ります。

壁面に直接雨があたらないように軒などの工夫がされています。

壁のひび割れ防止のためにのろを塗ります。

あとは塗装作業と窓枠設置などを残すだけとなりました。

廊下の外側に花壇スペースを造りました。

ローラーを使ってペンキを塗ります。重ね塗りをして色の劣化を防ぐとともに色むらがないようにしています。

教室内もペンキの塗装作業をしています。
塗装したら、ペンキが乾くまで待ってから、二度塗りしていきます。

重ね塗りを経て、色むらがないきれいな壁面となります。
この一通りの塗装作業を各教室で繰り返していきます。

すっかりきれいな校舎ができました。

校舎の中央にクメール語で支援によってこの学校が建設されたことが示してあります。

校舎の両脇にある妻壁の部分には英語で校舎名及び米百俵の支援によって建設されたことが書かれています。

各教室にはすでに製作してあった長机と長椅子のセットが搬入されました。

先生の板書がよく見えるよう教壇がおかれています。

校舎の全体図です。最終確認も終わり、後は寄贈式を待つだけとなりました。

NPO米百俵のみなさんや支援者の方々にむけて、コンポンスマットチュ小学校の子供たちが感謝の手紙を書きました。

手紙を書き終わった後は、先生の号令で子どもたちが「ありがとうございます」とカンボジア式に礼儀正しく挨拶をしてくれました。
これからも新校舎を使って、たくさんの子どもたちに楽しく勉強してほしいと思います。

